バブルラジカセを愉しむ頁→分解整備頁→RX-FD65
まだ私が小学校6年生だった頃のお話です。そのころよく遊んでいた友人の家に銀色のCDラジカセがありました。
音に合わせて動く緑のレベルメーターが格好良かった。
それがRX-FD65いう型番で、RX-DT7より3つは前の世代であると知るのは、この頁を始めて間もない頃でした。
当方の収集欲は、とりあえずパナソニックのでっかいCDラジカセなら何でも…というスタンスだったので、
RX-FD65もそのターゲットに含まれました。
日付を見たら、2004年だって… もう、幾らで買ったかとか、そういうのは忘れてしまいました…が、 メールボックスを検索してみると、980円での落札だったようです。 他のメールを読んでみた。出品者の方(当時は取引ナビなど無かった)も、 シルバーモデルは珍しくてお気に入りだったとのことです。 |
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今こうしてたどってみると、出品者の方に当頁を見ていただいたみたいで… 修理されるのを期待されていたみたいです… いやはや、7年越しですが、ようやく復活しました。
後ろにあるのはRX-DT95でしょうか |
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素晴らしい!!取扱説明書まで付いてきました。 ワンオーナー品はこれがあるから嬉しいですね。 |
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前面。アルミパネルがアクセント。 カセットデッキの操作部や、録音レベル、レベルメータなどのが前面パネルに集中しています。 これが後に整備する上でのネックになっていきます。 |
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電源スイッチはここ。 タイマーモードとヘッドホン端子。 黒い部分がヘアライン仕上げになっていて高級感あり。 |
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ファンクション、音量音質、チューナにCD。 大概の操作は天板に集中しています。 |
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CD操作部。 テンキーが無く、シークスピードも遅いので使い勝手はあまり良くない。 |
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チューナはTV多重/FMST/AM。 最低限のアナログチューナが備わる。 |
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CD天蓋。 CDが音楽ソースの最前線な時代。蓋の意匠もここをアピールしようとする意気込みがヒシヒシ伝わってくる。 クリアパネルとアルミのリングでとっても凝ってます。 |
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CD専用の液晶表示。 最低限ではありますが、カレンダー式の曲数表示ができるようになっているのは便利。 15曲以上のCDには対応できませんが… |
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カセットデッキの操作部もアルミではありませんが、メッキのヘアライン仕上げ。 妙に背伸びしたところがチャームポイント。 |
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裏側の電池蓋内部。 あくまでラジカセなので、電源のないところへ運び出す用途も考慮しているわけです その奥には時計用の単三スロット。これを入れないとAC電源でも時計表示はできません。 |
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所有満足度をカチ上げるレベルメータ。 7点しかないそれに、性能を期待するのは難しい。 あくまでも、チラチラ光ることに意義がある。 |
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この頃の松下民生AV機器に良く見られた 特徴のあるDIGITALロゴ。 |
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背面。このころはまだあった外部アンテナ端子と、ラインアウト、そしてミキシングマイク。 DT7などには外部アンテナもラインアウトも(CD OUTのみ)無く、これらが廃止されたのは 田舎でFMの入りが良くなく、また色々繋いで遊びたかった当時の自分としては悔やまれた。 |
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単一電池を10個も飲み込める太っ腹。 消費電力は26W。こんなもんか |
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では、解体開始。 ちょっと厄介そうな感じはしていたのだが、 今思えば、その予想を超越する面倒臭い個体だったのだ。 |
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CDレンズ。 死んだ魚のような目という言葉があてはまる
CD部分はのちの機種のようにモジュール化されておらず、 天蓋にそのままネジ止めされている。 当然、分解に手間も掛かるし、専用品なのでコストも掛かったことだろう |
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ANT SCREW COVER 読んで字のごとく、FMアンテナの根っこを隠すカバー。 ちゃんと書かれているのが凝ってます |
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外すとこんな漢字。 穴の奥深くにアンテナ固定スクリューが潜んでいます。 |
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隠しネジ。 チューニングダイアルの中に一個。
埃がすごい個体であったことがよくわかる画像です… |
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フロントパネル。 おびただしい数のケーブルで繋がれている。 スピーカは当然のこと、先述の前面デッキ操作や録音関係、 そして液晶ディスプレイもこのケーブルにて制御されているわけで、 その数は7束。面倒臭いですが、それでもコネクタ接続なのでマシですね |
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スピーカはフルレンジ。 上級機種のFD75はツィータがプラスされる。
このスピーカの最大長所であり、欠点になるのは ウレタンエッジであること。 |
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前面パネルへのコネクタ。 ピン数は間違えないようにか考慮されている。 |
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パックリ。 後のモデルのように気持ちよくパックリしないが、それほどの工数はありませんでした。 電源トランスは向かって左なんですね |
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白い帯はチューナのインジケータを動かす物。内側にギアの山、いわばラックが刻まれている。 分解によってズレてしまわないように気をつけたい。 |
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カセットデッキ。 ワンモータかつ角ベルト。えらくショボいです。 |
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ベルトは…もう見てられない状態 | |
差し込みはこのタイプ。 昔はこれの外し方がわからなくて四苦八苦したな〜 |
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RX-DT系のカセットデッキと比較。 これにゴッソリ入れ替えれたら話が早いのだが、 無理っぽい。 |
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↑ この間、7年のブランク… 確か、そのままで電源が入らなくなり、箱に収めて放置していた…筈 その間、2004年頃にどこからか(まぁ、ハードオフだろう)FD65のブラック(濃紺)を入手、 2007年、更に職場の近くで捨てられていたFD65を拾って… ↓ |
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これがその拾ったFD65です。 拾った当時は、通電はするも全く動作しなかったのですが、 この時に確認を兼ねて動かしてみたところ、カセットデッキ以外は普通に動きました。 何でだろう。 筐体の程度は中の下、CD天蓋が割れている。 |
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CD演奏中。 これの中身をシルバー外装に放り込みます。 |
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スピーカは地鳴り状態。 ここは諦めているので次。 |
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さて、スピーカの修理です。他機種のものを流用も考えましたが、 左にあるジャンクスピーカからエッジをいただく手法で行きます。 スピーカを交換してしまうと、それはFD65の音ではなくなってしまう。 |
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スピーカからはいろんな配線が出ています。 バスレフ構造なので、配線の束は壁に切られた溝を通って行きます。 最もタチが悪いのはスピーカ−からフロントパネルに アース線が出ていること…か |
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フロントパネルのデッキ操作ボタン。 よくわからないスプリングが2本入っています。 なにやらよく分からないのですが、基板やスイッチに落ちています。 フェザータッチ機構の誤動作防止用?静電気対策? |
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スピーカはエッジを剥がしてツンツルテンにしました。 こうして見ると、コーン部分は意外と小さい。 |
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さて、ジャンクスピーカのエッジ剥がしを始めます。 布エッジなので、相当強い。少々無理をしても破れませんので 剥がしやすいです。 |
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こんな形にして、 少しずつコーン紙部分を切り取っていきます。 |
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納得いくまで切り取ったあとは、 木工用ボンドで貼付。 乾いたら透明になるので、少々多めに塗っても大丈夫でした。 |
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筐体を風呂で洗い、乾かしているうちに 部品取りFD65の解体に着手します。 時計用電池は懐かしいNEO Hi-TOP。 |
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カオスな配線たち。 ここには載せていませんが、メモがわりの撮影は相当こまめに行っています。 |
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翌日、またまた翌日か。 一気に仕上げてしまいましょう。
出来上がったスピーカ。綺麗になりました。納得の仕上がりです。 この手の移植は、素材が無いとどうにもいかないのですが、 意外と中古のスピーカは出物が無い。補修用エッジもこの手合いを修理する上ではコスト的に見合わない。 |
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解体が進むFD65。 なるべく、各基板間の結合は解かないように、丁寧に外していく。
カセットデッキのベルトは当然のように切れていましたが、 1本だけ、奇跡的に繋がっていました。 今回は、ここは清掃のみで未着手にしますが、日本橋の千石電商がゴムベルトを 多数在庫しているので、採寸して見に行ってみようと思います。 |
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チューニングダイヤルの軸。 ストレスのないフリクションをつくるために、 こんな凝った構造になっている。 |
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掃除機やら雑巾を駆使して、綺麗になった操作部分をはめこむ。 何にしても、埃が溜まりやすいのがつらいところ。 |
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こういったケーブル類の取り回し、相変わらず苦手です。 今回は部品取りを見ながら組めば良いので、ある程度ははかどりました。 |
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暗くなってきました。 当方が使用しているデジカメ(DMC-FZ30)は、 ほぼ高感度が使用できないゆえにこういったシーンで苦労する。 手ぶれ補正は結構効いている感じですが。
ここまでくるとあと一歩です。 |
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チューナは案の定ズレていました。操作パネルを浮かせて、 インジケータにつながるラックを1コマ1コマずらして合わせていきます。 フロントパネルは、あの忌まわしいケーブルの束をうまく取り回さないと 綺麗に結合できません。 オープン状態で鳴らしながら、そこからケースを結合すると スピーカボックスが形成されて音が深くなる瞬間…たまりません。 |
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7年越しの放置プロジェクト、ようやく完成です。 まだ倉庫に放置プレイした機種があれやこれやと転がっているので、 サッサと起こして、いらないのは放出しないといけません。 |
2011年6月16日作成開始・完了
2011年6月17日画像差し替え
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