バブルラジカセを愉しむ頁→分解整備頁→RX-DT9
まだ私が小学校6年生だった頃のお話です。
誕生日祝い+お年玉でパナソニックのRX-DT7というCDラジカセを買ってもらいました。
そりゃもう嬉しくて嬉しくて毎日のようにTMネットワークやB'zなんかをを掛けて浸ったものです。
毎朝プログラムAIタイマーを使ってまで目覚ましまでしていたり。
で、現在でもバランスの高さで名機としてのの誉れ高きDT7ですが…
暫くしてこれよりも更に上級とされるDT8、そして真打であるDT9というモデルが発売されました。
早速、家電売り場でカタログを失敬して見てみる…何も知らない幼少の私はその内容に激しく驚いたものです。
何にしてもDT9のスペアナ付きグライコ、そしてミニコンポと同様の超巨大なリモコンにKOされてしまいました。
現実には…既に手元にDT7がある身、そして定価¥75,000という怒涛の価格に収入など無い私は指を咥えることしかできませんでした。
それから13年。
ヤフオクをうろうろしていると…たまに出てくるこの手のラジカセ。…ヤフオクでここに達してしまう辺り、昔の憧れがまだ尾を引いているようです。
DT7なんかがタバコ一箱分くらいで出品されていると、どうしてもそのオークションを追っかけてしまうのですが、
みんな考えていることは一緒のようで…かなりの値段まで撥ね上がって終了…という感じです。
2001年も末の頃、暇な時にDT9が出品されていてふと入札を試みたのですが、
それこそ手も足も届かない値段まで撥ね上がって泣く泣く諦めた苦い思い出もあります。
バブルラジカセの密か…ながらも物凄く濃い人気を肌身で感じた瞬間でした。
それでもまだ一般の人?が自宅の不要な物を片付ける、といった感じで安価で出品されるケースが多いのが救いでしょうか。
2002年のある夏の日。たまたまラジカセのカテゴリをのんびり眺めていると…真っ黒で巨大な…これは!!と辿ってみるとそこにあったのは
紛れも無くDT9だった。開始価格も良心的。ウォッチリストに放り込んで様子を見る。
丁度お盆時分だったので誰も居ないのだろうか。全然値段が上がらない。
遂に終了日まで来たのだが、いっこうに動きは無い。これはいけるかも? 終了は昼過ぎ。PCの前にへばりついて終了間際にポンと入札。
こっちも軍資金は限りなく少なく、自動延長が設定されているので誰かが食いつけば玉砕だっただろうが…10分ほどして覗いて見る。落札成功!
遂に…10年来の夢が叶う時がやって来たようだ。
我が家にバブルラジカセがやって来た その1 R X - D T 9 編
数日後。
晩飯を食べてから一服していたら…家の前にトラックが停まる。ヤフオクで落としたDT9が我が家にやって来ました。
子供のようにわくわくしながら開梱。この瞬間がたまりません。プチプチに囲まれたDT9出現。
…うーむ。でかいです。今出来のコンパクトなCDラジカセからすれば、
もはや、化け物。
残念ながらリモコンはありませんでした。全身リモコンでEQ操作をするのが密かな楽しみだったのに…
外観はそれなりにヤレてはいるものの、致命的な汚れや傷は殆ど無く、私的にはミントコンディション。
まずはこの巨大ラジカセの美点を簡潔に。
DT8/9のカセット部は凝った構造になっています。 イジェクト→まずアウター部がせり出す→ そしてインナー部が回転しつつ出てくる、といった感じです。 これにより、フロントパネル部のレイアウトに余裕が出来たのか、 デッキの操作系や液晶表示部がDT7に対してかなりゆとりを持ったような感じに見えます。 まぁ、元々巨大なのもありますが… |
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そして、リモコン上等な天面の操作部。ボタンだらけです。殆どの操作がここでできます。 CDは12曲目までは一発呼び出し可。 リモコンに役割を任せたりはしないというところもバブルラジカセの美点。 |
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(修理後の画像です) |
DT9の特徴であるスペアナ部。 左からS-XBSレベル、100Hz、330Hz、1KHz、3.3KHz、10KHz、トータルレベルとなります。 う〜ん、バブル炸裂ですね。 ちなみに、EQレベル調整に対する音への反映はものすごく良いです。 ここがDT8だとLEDのレベルメータのみとなる… |
背面も凝ってます。わざわざスピーカ毎にアンプ持ってるぞ的主張が見て取れます。 DC電源はなんと単一電池10個! 背面端子はAUX入力、そして何故か出力はCDのみ。そしてミキシングマイク端子も装備。 |
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で、これ。所有者でも知らない人は知らないと思われる…「ジャケット立て」 現在掛けているCDアルバムのジャケットをここに立てかけておくのだ。なんとびっくり。 |
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CDの覗き窓部分に引っ掻き傷が。致命的な傷はこれくらいだろう。 相手方への評価を済ませてから、早速ACケーブルを繋ぎ、起動。 表示部が一瞬全てを表示し、時計表示へ。電源を入れる。あぁ…やっぱりか… |
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以前粗大ゴミで拾ったDT8もそうであったが、RX-DT8/9は表示部のバックライトに 電球を用いているので使い込まれた個体は大体球切れを起こしているようです… 後のコブラトップからはLEDになった為(というかDT77はバックライトが省かれた筈) このようなトラブルとは無縁になった。 幸い、基本的な動作には何も問題は無かった。 カセット部にガンを抱えているこの頃の松下製品にしては上々。 噂通りの素晴らしい音にうっとり。 スピーカネット内の埃もそこそこあるし、折角なのでビシッと仕上げてみることに。 |
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まずフロント部を外す。背面のねじを全て外し、カセットを イジェクト状態にするとあっさりフロントカバーは外れる。 電気系の接続はこのカップラ一個。整備性は実に良好だ。 あっというまにバラバラになってしまった。 まずはカセットテープ部のキャプスタン等の清掃。 前所有者が愛煙者だったのか、ウェスが茶色に染まる。 その他埃の酷い個所は綺麗に拭き取ってやることに。
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天板もねじを外すと難も無く外れる。埃の堆積はお約束ですね… 周囲をフェルト?のシートで保護しているのが嬉しい。 |
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ボタン部もねじと爪でとまっているのみ。電気系もカップラ1個で分離。 分解してみてわかる出来の良さ。これならサービスの方も触りやすくて現場にも好かれそうですね。 というわけで原因の電球に到達しました。真っ黒く煤けた電球はものの見事にフィラメント切れ。 |
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今回はパイロットランプ用の球を使います。 ちなみにここの部分はDC12Vなので自動車用の管球類もOK。 12Vなら…EL板を用いてELバックライト化も考えましたが、 今回はオリジナルに近い状態で仕上げるつもりなので見送ります。 |
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半田と熱収縮チューブでバッチリ。いまいちわかりにくいですが、完成です。 ちゃんと点灯してくれればいいのですが… |
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ラジカセの手直しでは必須のスピーカ清掃、そしてネット内に溜まった埃の除去だ。 DT7に対してウーファ径の大きいDT9は隙間の奥の奥まで手を入れ易くて 簡単に埃を除去することが出来ました |
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先程の傷ですが、物置を物色しているとDT8の残骸が出て来ました。 こちらの方が状態が良いので流用することに。 ちなみに、この過去に所有していたDT8ですが、元々状態が良くなく、調子もイマイチでした。 そして起動不能になってしまい、部品毎にバラバラにして要らないものは処分しました。 今思えば、DT8のようなニッチな機種はあまり市場に出まわっていないと思われるので… 形だけでも残しておくべきだったのだろうか… あとは組み立てるだけです。まるでブロックの如くパチパチと組みあがっていく。
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恐る恐る電源を繋ぐ。無事起動。バックライトもOK。 表示部の窓は車用の溶剤入りWAX※1、 その他はヤニがひどいのでガラスクリーナを用いてクリーニング。 |
10年来の夢が、今、目の前で叶おうとしています。次なる目標はリモコン探しですか…今は、DT7のリモコンで我慢の子です。
…それにしても、部屋が汚い…人に見せれる部屋じゃないな…
今回の総費用
落札価格\2400+送料、振り込み手数料等々
3500〜4000円くらいでしょうか。
後日談。
この頁のみこんなに画像がみみちいのは、当時の和塩の容量に限りがあり(12MBくらい)
極力画像を載せつつ、容量を絞るためであったことを覚えています。ちなみに、元画像をそのまま縮小してしまったので、貼り直しがきかないのですorz
実はこの続きとして、一度分解を経て組みなおした記事を作成までしてたのに…今になってそれをアップしていなかったことに気付く…
こちらからどうぞ。
作成開始日不明
2003年11月2日修正
2004年5月7日また修正
2005年2月4日体裁修正
※1 表示窓等の透明部に使うとテキメンに艶々になります。小傷が多い時は先に「ピカール」で研磨してやると尚良。傷だらけのCDにも使える必殺技です。
しかし、文字等がプリントされている箇所はマスキング゙しないと溶剤が強力な為に擦りきれたり剥がれたりします。これは塗装面も同様。
あくまで表示部の回春剤です。
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