バブルラジカセを愉しむ頁→エトセトラ→CFD-900
去年の、夏だったか。
遠く名古屋にまで仕事で行ってる友人が帰省したのと時を同じくして、このラジカセがやってきた。
その友人宅に向かう途中で、丁度いいかとハードオフに寄ってみる。
と、バブカセ棚の上に黒くて大きいブツが構えている。これは…
SONY CFD-900。宇宙船デザインから趣向を変えて、平面っぽくも緩やかな曲線を持つそのデザインは、
ぼってりとしていて締まりもなく、正直好きではないのだが…
ものすごい数のキー、そしてインターフェイス上等な劣悪操作性、集約が全然成されていない3つの液晶ディスプレイなど、
私の物欲を掻き立てるのには充分なスペックであった。
当時のラジカセの中では最もまとまっていたRX-DT9にはじまり、901、909などと時代を進めていく上で
操作の集約が進んだ個体にいささか飽きを感じていた私にとっては
格好のオモチャであることを確信して、RC-X750と共にレジに持ち込んだ。
しかし、これがまた、私の苦悩と没落を進めてしまう結果になろうとは。
挫 折 を 通 り 抜 け て C F D - 9 0 0 編
そて、ソニーのラジカセは初めてだぞ… どんな音がするのやら、分解したらどうなるのか。 期待が高まります。 |
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今回は同梱品がありました。 なんとリモコン付きで1000円なんだからたまったもんじゃない。
しかし、袋を付けている糊がベッタリなのはいただけない。 |
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で、これが袋入りのリモコン。 いつものデザインじゃなくて…なんだか変な形なわけですが…
後のソナホークシリーズで元に戻ってしまったのが残念です。
しかし…これ、持ちにくくなかったりしないか? |
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DoDeCaHORN CD。 CD無しのただの「ドデカホーン」もありまして。 妙チクリンな造語ではありますが、 カビキラー並のインパクトがありますね、これ |
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通電開始!! おおっ!!橙のバックライトがいいぜ… ん、 タマギレか? |
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天板1。 システムパワーて何やねん… その右にまたまた電源ボタン。 小さいつまみはタイマーセレクト、ドルビーNR、 そしてCDダビングモード。 え、CD高速ダビングなんか付いてたのか!? |
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CDはトップローディング。 左下はCDの演奏モードなど、右下は10キー。 ちなみに、CD専用10キーです… |
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チューナはなんとダイアル式。 要は松下のAI JOGみたいな感じです。 で、チューナはV/U音多までカバー!! |
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そしてバンドセレクタにチューナプリセットキー。 何にしても、ボタンが多い、多すぎる!! チューナとCDプレーヤとカセットデッキとグライコとタイマとアンプを ただ寄せて集めただけという感じだ。なんじゃこりゃ…
まさしく、バブル、そして無駄の極致… |
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後々、入手した取説によると、システムパワーは テレビの主電源のようなもので、待機電流を減らすことができるそうだ。 エナジーマークを付けてはあげたいのだが、消費電力が46W… さすがはバブルお化けである。 二つもあるヘッドホンジャックも然り |
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それでは、動作確認いってみましょう。 CDを入れてみてと。 |
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ディスク認識。 しかし表示が少し小さいぞ… 右にはソニーらしくミュージック・カレンダーが付いてます。
上はチューナを表示する窓のようだ。 |
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演奏開始。バッチリですね!! 小さい7セグメントに対して、ズブトイスペアナ表示。 なんだかチャランポランなのも、バブルラジカセ故なのか、否か。 |
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そんな図太いイコライザですが、フルバンドをみっちりいじれる仕様です。 そりゃ400500700と来て、頂点の900なんだからこれくらいは付いてないとね。
しかしDT9からすると、全然洗練されてないな… |
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というわけでDT9登場。 同期生という観点から、色々といじり比べたり、聞き比べたり。 |
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背面にはアンテナ端子。 嬉しい装備です。 スイッチはFM感度切り替え(LOCAL←→DX) |
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FM受信中。 感度は…アンテナの向きにかなり敏感なようでして、 松下ならノイズになるところをコイツは音量で教えてくれる。
そう。私のような田舎住まいであると、 人間の位置が変わると…音量が変わるのだ。 |
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カセットデッキ。 期待はしていなかったのですが、Aデッキだけはなんとか動いている様子。 しかし信頼性は全く無いものと考えねば… |
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Bデッキは…
ヘッドがもげている… _| ̄|○ |
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スペアナ対決。 CFD-900。オレンジがビビッドで(・∀・)イイ!! バー真ん中のスリットが特徴的でつね。 ちなみに目盛りは4本が1コマです。 |
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そして我等がDT9!! カコ(・∀・)イイ!! グリーンが落ち着きを感じさせて(・∀・)イイ!! こちらは3本が1コマになる様子 |
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ダーーーーーーーーーーーースベイダーーーーーーーーーーー | |
開けてみるとこんな感じ。 う〜ん。ドデカホーンやなぁ。
表のスピーカがカーボンコーンにチタンキャップであるのに対し、 こっちは紙です。 |
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背面端子。 松下のものと一緒。 出力はCDのみ。 |
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巨大なボリウムダイアルを外すと、 ご丁寧にナット締め。 いい部品奢ってます。 |
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というわけでこんな表記は…
底面に記されていました。 46Wはラジカセにしちゃ食いすぎ…かな DT9と同等です |
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では、分解いってみます。 ネジがいろんなとこに埋まっています。 隠しネジもたくさんありそう。
この時は、ソニー製品の怖さをまだわかっていなかったのです。 そして、没落が始まる… |
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天板はしなるほどにペラペラ。 大丈夫かなぁ…
基盤もどっさりありそうです。 集約が全然なされていないのでしょう。 黒い足場のようなブツは、ボタンの基台です。 |
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ハルサメ、ざるそば、にゅうめん… ものすごいケーブルの数です。 なんじゃこりゃ…
今迄いじってきたRX-DT**からすると、 なんと不器用なラジカセであろうか。 |
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もうむちやくちゃです。 これはすごい。 |
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…松下の個体なんかの配線は、どこに隠れているのやら、 もしくはチップの中に集約されてしまっているのか。 |
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はぁ、全バラ風呂洗いは無理かなぁ… 埃がすごいのでなんとしてでも丸洗いしたかったのだが。
カセットデッキの蓋を外します。 初物尽くしでかなり戸惑っています。 |
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画像のように、チマチマとツメを外せば カバーは問題なく外れてくれます。 配線なんかはカバー側には付いていないのでご心配なく。 |
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本来なら、前面を先に外して天板を外す順番なのですが、 この時点でメチャクチャになっています。 |
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画像中央に注意。 この穴の中に、隠しネジが潜んでいます。 全てのネジが外れていれば、何らこじることなく パネルは外れてくれます。 力づくはやめましょう。筐体が軟いので破損してしまいます。 |
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というわけで、やっとこさ前面パネルが外れてくれました。 ものすごい構造、そして基盤の数。 部品の個数、そして単価としては、DT9を遥かに越えていることでしょう。 |
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ゲジゲジがいっぱい_| ̄|○ 全て外して、組みなおせといわれたら…
逃げますわ |
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全バラはあきらめるとして、せめてバックライトは修理しないと。 ここくらいは外しても覚えられるから大丈夫でしょう。
多分。 |
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というわけで外せました。ディスプレイとバックライト。 米粒のような電球がいっぱい… DT9を引き合いに出しすぎですが、DT9のバックライトがプロジェクションタイプ(適当にそう呼ぶ)にて 3つの電球で済ませているところからすれば、なんとも効率の悪い手法であろうか。 利点としては、ユニットを薄く作れるところ。 中身がパンパンなCFD-900だと、これしか方法は無かったのでしょう。 |
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電源をつないでみて… 切れてる…(´・ω・`)
どうしよう…電圧は12Vより低いみたい… 家のストックを漁っても、12Vのものしかない。 |
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少し他を進めるか。 グラグラになっているBデッキのヘッドを直します。
ネジが外れているだけか…またしても_| ̄|○ |
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合うネジもなさそうなので、DT7の部品取りから ネジを頂き、締めるだけ締めてみる。 ネジピッチは合っていたようで、ヘッドが固定できた。
が、デッキはそれ以外にも壊れているようで…
手におえんわ |
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もうこんな光景を見てるだけでうんざりしてしまいますが、 頑張っていきましょう。
ソニーもこれから他社の個体を参考にしたのか、 ZS-7では素晴らしく集約が成されていたので、結果としては このCFD-900が最もゴチャゴチャしていてたということになります… |
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スピーカ。カーボンコーンにチタンキャップ!! なんだかバブリーであります。
事後なので書けるのですが、このスピーカが 後々aiwaのCSD-SR700に流用されたのでした。 |
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CD蓋の開き具合に節操が無い。バターンと思いっきり開いてしまう… 安物のラジカセじゃないんだから… というわけで、ダンパーを調整します。 |
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どうやら、このギアに流体を用いたフリクション機構が備わっているようです。 硬いグリースのようなものを封入し、軸の動きをネバらせるアレですね。
分解前はもうスコスコになっていました。 |
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試行錯誤の末、なんとか粘りを持たせることに成功。 | |
…画像ではわかりにくいか… | |
と、ここで息抜き。DT9のバックライトを交換します。 今迄のものは8〜10Vの球のようで、ブライトネスをLOWにしないと明るすぎな 更に品質にも難のある球を使っていたのですが、 今回、職場から頂いてきた操作盤用の球に換えてみます。 |
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パックリ。
えーい、CDラジカセとはこうあるべきだ!! |
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換装完了。
えーい、CDラジカセとはこうあるべきだ!! |
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HIGHでほどよい明るさになりました。
えーい、CDラジカセとはこうあるべきだ!! |
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で、余った球をCFD-900…
無 理 だ _| ̄|○ |
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うーん、こりゃぁ難題だ、 ムギ球なんか何処で売ってるんだよ…
ならばアレしかないか… |
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決してビッ○カメラの袋ではなく… 日本橋のパーツ屋で買ってきた… |
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ババーン!!青色高輝度LED!! 試しに繋いでみる。 めっちゃ明るい!! |
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これならいける。いけるぞ〜!! メインディスプレイに2個、サブディスプレイに1個ずつ組んで… |
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基盤のパターンは殺して、LEDを直列に繋ぐ。 | |
試しに12Vで点灯。 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!! |
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OA用紙を入れてみる。 ムラがあるなぁ、LEDの角度を変えてみる。 |
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目がくらむ。 これは目に悪そうだな… 暴力的な明るさだ。 RX-ED50のバックライトなんかがこれを使っていそうなのですが… |
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LEDの角度調整後。 ムラ無く光るようになりました。ですが… なんだか紙独特の模様が… |
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…OA用紙ではちょっと具合が悪いので色々ほじくっていたら 出てきたのがこれ。 これがまたウマい具合に使えそうなんですよ。 これを間に挟んでみて、と。
さぁ、この状態で組んでみて…電源投入…ぐわぁ!!煙出てきた!!_| ̄|○ …電源入らなくなっちゃった…_| ̄|○ |
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結局、色々当たってはみたのですが、復帰はならず。_| ̄|○ 最後を、看取ってあげよう。_| ̄|○ この美しいディスプレイに、踊るスペアナを夢見て…_| ̄|○
後々、実家の片付けに伴い、解体・廃棄してしまったCFD-900。_| ̄|○ 後悔の日々が、始まるのでした。_| ̄|○ |
今回の経費_| ̄|○
本体\1000+税_| ̄|○
2004年4月13日作成開始_| ̄|○
2004年4月14日完了_| ̄|○
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